2006年7月6日

健康保険改革をめぐって、キリスト教民主同盟と社会民主党との間の意見の対立が白熱化しています。その理由は、社会民主党側が、増税によって新しい健保改革の財源を確保したとしたのに対し、キリスト教民主同盟とりわけ州首相たちの反対によって、増税は行わず、保険料率の引き上げをメルケル首相が決定したからです。社会民主党のシュトゥルック連邦議会院内総務は、「このようなことは二度と起こってはならない」と言って、メルケル首相が約束を破ったと批判しました。大連立政権は私の予想通り、成立から1年もたたない内に、最初の危機に直面しています。

世界がワールドカップに熱狂している間に、ガザ地区ではイスラエル兵士誘拐をきっかけにイスラエル軍が侵攻し、戦闘が繰り広げられています。パレスチナの過激派は当初、イスラエル兵士を人質に取り、イスラエルがパレスチナ人捕虜を刑務所から解放しない場合は処刑すると脅していました。このニュースを聞いて私は、ホロコーストを生き延びたエリー・ヴィーゼルが書いた「夜」三部作の第二部のイスラエル人テロリストの物語を思い出しました。かつてイスラエルを旅した私としては、暴力の嵐が吹き荒れる中、なんとなくワールドカップに熱狂する気になれません。逆にワールドカップに熱狂できる人々がうらやましい気もいたします。